「かまきん」の愛称で親しまれてきた「神奈川県立近代美術館 鎌倉館」が2016年1月30日で閉館します。
この鎌倉館は、1951年に鶴岡八幡宮の敷地内に日本初の公立近代美術館として開館されました。
設計は、坂倉準三(1901-1969)。20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエの弟子だった人。坂倉が設計したこの建物は、日本のモダニズム建築の代表的存在として知られ、建築を志す人は必ず見学しにくるほど。
この建物のキモはなんといっても、建物中央にある、平家池に向かって開かれたピロティ。内部と外部がシンクロする空間は、桂離宮の古書院に着想を得たのだとか。池の水面が天井に反射し揺らめく様など、彼がこの建物にこめたモダニズムの中の日本建築の感性を感じとることができます。
中庭には、坂倉準三とコルビジェがならんで立っている写真と同じモノが撮れるよう、二人が立っていた足跡と、撮影ポイントが記してありました。
2階にある喫茶室「PINACOTECA(ピナコテカ)」はホント居心地の良い場所でした。ここからは蓮池が一望でき、平日はいつものんびりとした空気が流れていて、ここのファンだった人も多いはず。
そんな鎌倉館も老朽化と鶴岡八幡宮の定期借地権が切れることにより、2016年1月31日(日曜)で一般公開は終了となります。建物については、旧館棟は、現時点では鶴岡八幡宮に引き継ぐ方向、別棟と新館棟は取り壊す方向で検討されています。
日本人が考えるモダニズムが具現化された空間、カッコよくて懐かしい。まさに名建築の中に入れるのもあと少し。
美術館は連日、行列ができていますが、やっぱり、最後の姿をしっかり目に焼きつけたいですね。
●神奈川県立近代美術館 鎌倉館
・住所 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53
・Tel 0467-22-5000
・休館日 月曜日
・開館時間 午前9時30分-午後5時(入館は午後4時30分まで)
・観覧料 一般1,000円 20歳未満と学生850円 65歳以上500円 高校生100円
さよなら神奈川県立近代美術館 鎌倉館は1月30日で閉館です

神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53