函嶺洞門(かんれいどうもん)は、神奈川県足柄下郡箱根町にある塔ノ沢温泉付近の国道1号線に、落石防止のため造られたトンネル状の洞門です。函嶺とは、箱根の別名です。
箱根駅伝のランナーが駆け抜ける山登りの5区を思い出す方も多いことでしょう。長さは170メートルあり、片側が支柱で支えられ外が見える構造になっています。1931年、当時珍しい鉄筋コンクリート造りの洞門として竣工されました。中国の王宮をイメージしたという美しい外観などにより、2005年には土木学会選奨土木遺産「箱根地区国道1号施設群」の一つとして認定されました。
トンネルが老朽化し、また幅員が狭く大型バスのすれ違いが困難などの理由により、2007年より迂回ルートの建設が行われて、2014年2月に完成したため。函嶺洞門は通行禁止となりました。
このため、2015年の第91回大会から、バイパスへコースが変更となりました。これに伴い競走距離が伸びたため、過去の箱根駅伝の記録はすべて参考扱いとなってしまったことも記憶に新しいことでしょう。
トンネルをのぞき込むと、今でもこの洞門を駆け抜けたランナーの息遣いが聴こえるような気がします。
函嶺洞門(かんれいどうもん)
神奈川県足柄下郡箱根町湯本 国道1号
紅葉の箱根路 函嶺洞門(かんれいどうもん)
